業者と話をしていたり、相見積もりを取って見積書を見比べていると、シーリングやコーキングという言葉を見聞きする機会があります。
外壁の目地や建具(窓やドアなど)の廻りに充填してあるゴム状の材料、もしくはその材料を充填する作業のことをシーリングもしくはコーキングと呼びますが、ここで1つの疑問が生じます。
もっともな疑問です。
コラムを執筆しているジローは元々建築関係未経験者だったので、入社してしばらくは「シーリング? コーキング?」というハテナが頭に渦巻いてました(^^; )
そこで今回は、混在している「シーリング」と「コーキング」について解説していきたいと思います!
※以下「シーリング」と統一して書き進めていきます。
・シーリングとコーキングの違い
・シーリング工事の内容
シーリングの役割
シーリングとコーキングの違いを説明する前に、まずはその役割を簡単に説明したいと思います。
① 防水性を高める
シーリングは、外壁材と外壁材の隙間や建具廻りなどに存在する隙間を埋める役割を果たしています。
この隙間を埋めなければ、隙間から雨水が浸入して雨漏りの原因となります。
こういった隙間からの雨漏りや漏水を防ぎ、防水性を高めているのです。
屋根や外壁に劣化や損傷がなくても、上の写真のようにシーリングの割れ目から水が浸入し、雨漏りをしていることがあります。
② クッションとしての役割
外壁材と外壁材や外壁材と建具サッシなど、建物には建材と建材が接する場所が必ずあります。 ※建材…建築の資材。建築で使用する材料。
そうした建材同士がぶつかり合うのを防止するクッションの役割があります。
特に外壁材は気温や湿度によって膨張したり収縮したりするので、隙間なく敷き詰めると、膨張や収縮といった些細な動きに対応できなくなります。
その結果、建材同士がぶつかり合って割れてしまったり、歪んでしまったりします。
シーリングとコーキングの違い
結論から言うと、現在ではシーリングとコーキングに違いはありません!
日本産業規格【JIS K6800:1985「接着剤・接着用語」】では、以下のように規定されています。
・シーリング材(JIS A 5758)
構造体の目地、間げき(隙)部分に充てん(填)して防水性、気密性などの機能を発揮させる材料。・油性コーキング材(過去JIS A 5751規定。現在は廃止)
JIS K6800:1985 接着剤・接着用語より引用
展色材(天然樹脂、合成樹脂、アルキド樹脂など)と鉱物質充てん剤(炭酸カルシウムなど)を混合して製造したペースト状のシーリング材。
簡単にまとめると、油性コーキング材以外はすべてシーリング材です。
油性コーキング材は劣化するとガッチガチに固まってしまい、撤去の際にかなり苦労するなどの利便性の悪いさから、現在では使われなくなりました。
しかし過去の「コーキング」という呼び方が定着していたこともあって、建築現場では会社や年代や人によって呼び方が変わるのです。
シーリングもコーキングも同じ内容を指しているので、焦る必要はありません!
シーリングの用途
① サッシ廻りへの充填
外壁材とサッシとの間に充填し、防水性やクッション性を高めるために使用されます。
② 目地への充填
外壁材と外壁材をつなぎ、クッションとしての役割を果たします。
温度や湿度による膨張・伸縮はもちろん、地震の際の衝撃緩和にも役立ちます。
③ 接着剤、補修剤
小規模な破損やヒビ割れの場合はシーリング材での補修が可能です。
密着性が高く、防水性能もあり、上から塗装もできるので一体感も生まれます。
まとめ
いかがでしたか?
シーリングとコーキングの違いやシーリング工事のことはお分かりいただけましたか?
・シーリングとコーキングは呼び名が違うだけ!
・防水の役割を担っている!
・建材と建材のクッションの役割を担っている!
インターネットで検索してみても、シーリングとコーキングについて解説しているページは他にもたくさんありました。
それだけ多くの人が疑問に思ってるってことね!
メーカーによっては「コーキング〇〇」「〇〇コーク」という製品があるので難しいかもしれませんが、建築工事に詳しくない一般の方々のためにも業界全体で統一していく必要があるかもしれません。
今回はシーリング・コーキングについて解説してきましたが、他にも皆様が疑問に思うことはたくさんあると思います。
そんな時は、どんな些細なことでも遠慮なく質問してください!
中村塗装は何でも正直にお話しします!
世間話をするぐらいの気軽さで、いつでもどんな些細なことでもご連絡ください!
シーリングなの? コーキングなの?
どっちが正しいの?